死なない前の経(スッタニパータ)~あるのは「今」だけ~
あくせくするような問題も何一つない ~死なない前の経より⑬~ 861-14 彼はこの世に自分の持ち物が何もないが ないからといって別に悲しみはしない 又色々な事をとりあげて それにあくせくすることもないー こういう人をこそ平安な人という この世に自…
永遠の今を生き生きと生きる ~死なない前の経より⑫~ 860-13 静かな人は貪らず 利己心がなく 自分を勝れているとも また等しいとも 劣っているともいわないで 時の流れに流されず 却って時を超えている 静かな人は、貪るということがない。 自分の思…
狭い世間的、人間的見地は、もはや彼にはない ~死なない前の経より⑪~ 859-12 世俗の人や修道者やバラモン達が この人のことをどんなにとやかくいおうと いわれる事柄自身が 既に彼の無視していることだから そんな論議のために動かされはしない 彼は…
世界を我が家として、人々を家族として生きる ~死なない前の経より⑩~ 858-11 その人の処には子供も家畜も居らず 田畑や敷地もない そして彼が手に入れたものとか 未だ手に入れなかったものとか そういうものが彼の内には何もない 彼には、所有するも…
人間の悪も欲望も越えて平安に到った人 ~死なない前の経より⑨~ 857-10 色々の欲望を悉く顧みないでゆく人 こういう人を平安な人と私はいう 彼を縛るものは何もなく 彼は既に執着をこえてしまっている 人間がしようと思っている悪なんて大したことな…
生にも死にも執着しない ~死なない前の経より⑧~ 856-9 この人が何の拠りどころももたないのは 物事の本性をよく知って それによりかからぬからである そこには生きようとする強い願いも 又生きることをやめようとする強い願いも そのどちらもない 物…
自分が絶対正しいという思い上がりも、人をどうこうしようという発想もない ~死なない前の経より⑦~ 855-8 歓びも悲しみも届かぬ静かな処に いつもすっきりした気持ちで居り この世の中で 自分を人と等しいとも思わなければ また勝れているとも劣って…
得ることにも欲望にも美味にも捉われない ~死なない前の経より⑥~ 854-7 何かを得ようとして学ぶのではなく 従って何も得られなくてもあわてず 愛欲に捉われて 人との関係をきしませず 又美味を貪りもしない 学べば学ぶほど、 自分がどんなに知らない…
いつも流れるように無為自然の人 ~死なない前の経より⑤~ 853-6 快楽に耽(ふけ)らず 思い上がっていい気にもならず おだやかで 機智に富み 自分の信ずることを人におしつけず 又自分はどうしても無欲にならねばならぬとも思っていない ①<快楽にふけ…
あっさりさらさら快活で真っ直ぐで嫌みがない人 ~死なない前の経より④~ 852-5 物事に捉われず 正直で 貪る心がなく 人のために尽くし 控え目で いやな感じを与えず 人を中傷することがない ①物事に捉われず あっさり 軽快 快活 敏速 ②正直 率直 余計…
すべて自然の展開に任せている ~死なない前の経より③~ 851-4 未来のことを期待せず 過ぎ去ったことを思い出して悲しまず 感覚に触れるものを一定の距離をおいて見 又自分の考えで人生の行き方を決めようともしない 未来のことに、希望をもたない ・・…
完結に語られる姿 ~死なない前の経より②~ 850-3 この静かな人は 怒らず怖れず自惚れず また悔いることなく 聡明に語って 思いをたかぶらせず そして言葉を慎む ①「怒らず」 他人が自分と同じように 感じたり動いたりするなんて誤解せず、 他人のこと…
死んでからのことじゃない。今ここでのこと。 ~死なない前の経より①~ 死んでから天国や極楽へ行って 救われるということじゃない。 死なない前っていうのは、 今ここですぐにということなんだな。 848-1 「どのように物を見 又どのように行いを保つ人…