人と人が争う姿。それは支配欲の象徴。
恐ろしいから武器をとる?いや、武器をとるから恐ろしくなる
~杖をとりあげるものの経より①~
935-1
「争う人々を見るがよい
杖をとりあげるから
恐怖が生じたのであるー
私は世間の悲惨を見て
強く心を動かされたが
そのとき感じたままを
これから話してみよう
人と人が争う姿は醜い。
その醜い姿をよく見よと言われる。
それは、支配欲の象徴だと。
杖を取り上げるとは、
相手を支配しようとすること。
そこには、必ず相手の反抗が予想される。
だから恐怖が生まれるのだと。
相手を支配しようとするから、
恐怖が与えられる。
つまり、それは自分に向けられた杖なんだと。
人を支配しようなんて思わない人には
恐怖は生まれない。
それなのに、
「悪いのは向こうだ。
向こうが自分に危害を加えようとするから、
守るために武器をとるだけだ。」と、
自分は悪くないと思っている。
恐ろしいから武器をとる→無内省
武器をとるから恐ろしくなる→内省
さて、この経では、
お釈迦様が実際に見て
心をいためてこられた、
世間の悲惨について、
その深い見方をこれから明かされていく。
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