不幸に遭わない人は不幸？ どん底に落ちて、やっと新しいスタートがきれる！
本当の幸せに向かって方向転換したダニア
～スッタニパータ・ダニアの経より⑨～
恐れていた大洪水で、家も財産も失ったダニア。
ダニアがどんなに絶望して、
次にどんな嘆きが聞こえてくるかと思って読み進めた私は、
続きを読んで、
「え？」って思った。
３１－１４
私どもが世尊にお目にかかりましたことは
測りしれぬしあわせでございます
「世の眼」に帰依いたします
「大いなる聖者」よ
どうぞお教え下さい
３２－１５
私の妻も私も忠実にお教えに従います
「善く逝ける」あなたの許で清らかな修行をつみ
生と死の彼岸に渡り
苦しみのはてを超えてまいります
私は、この違和感を解決したくて、
いろいろ想像してみた。
ここからは、私の妄想です。
ダニアはお釈迦様の姿をずっと見てはいた。
ことばもずっと聞いてはいた。
でも、
自分の方がずっと立派な生活をしているし、
自分の方がずっと幸せだと思っていたから、
乞食のお釈迦様の言うことなんか、
全然気にも留めていなかった。
でも、災害に遭って、
今まで築き上げてきたものを失って、
絶望して、
どうしていいかわからなくなって、
初めて気づいたんだな。
そして、もう一度、
お釈迦様のことばに
耳を傾けてみた。
人は流れていく真理を、
自分の思いで固定しようとする。
思い通りになっているうちは、
幸せだと思っている。
でも、
その真理が思いからはずれたとき、
苦しみが生じる。
それでも、
その思いに執着しつづけると、
ますます苦しむことになる。
苦しみから抜け出すには、
もうその思いにとらわれるのはやめて、
真理に従うしかない。
苦しみは苦しみに任せて、
できることをしていくしかないんだな。
さあ、
ここからダニアの再出発！
方向転換をしたダニアは、
今度こそ、本当の幸せを知ることができるかな。
そして、このダニアの経には、
最後に二つのガーターが付け加えられている。
悪魔のことばと、如来のことばが・・・
つづき↓
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